国内債券への投資術、第一位は個人向け国債

      2011/03/19

我々のような投資初心者が、日本債券に投資する場合に最も有利な商品は個人向け国債です。
個人向け国債は1万円単位から購入できるという手軽さに加えて、他の商品と比べて損失を被る危険性がきわめて低いため人気が高い商品です。

ただし、不動産投資のタネ銭作りということを考えた時には、運用年数ということを考慮する必要があるでしょう。なぜなら、個人向け国債は固定金利型の五年物と変動金利型の10年物の2種類になるからです。

個人向け国債には、前述のとおり、固定金利型の五年物と変動金利型の10年物の2種類があり、金利は半年ごとに見直され、固定の五年物は一般の5年国債から0.05%、10年物は一般の10年国債から0.8%を差し引いた金利が適用されます。なお、金利には下限が設けられていて、0.05%となっています。

一般的な資産の運用という点からする考えると、10年変動金利型の個人向け国債は大きな利点があります。
具体的にはインフレが起きれば元利金の実質的価値は目減りしますが、半年ごとに見直される変動金利がこれを補ってくれる(物価上昇時に金利は上昇)ので、インフレリスクに強いという利点です。

短期間で大きな利益を狙うことはできませんが、課税後の年利が0.2〜0.7%の定期預金、0.3〜0.4%のMMFやMRFに比べれば、リターンそのものが魅力的といえます。

また、他の類似の金融商品と比べたときに、個人向け国債が持つメリットはリターンだけではありません。

第一に、購入時や保有期間中に手数料がかからず、コストメリットが抜群によいことです。インデックス投信やアクティブ投信、MMFなどは保有期間中にコストが掛かりるのに対して、個人向け国債のコストは基本的にはゼロとなります。

第二に、元本を国が保証してくれるため、元本割れリスクがほとんどありません。
通常の債券は金利が上昇しているときに現金化すると、額面を割る恐れがあります。これに対して個人向け国債は、購入から一定期間が過ぎれば満期前でも国が額面で買い取ってくれます。

ただ、個人向け国債で元本割れが生じるケースもあります。5年物は通常、発行の2年後から換金可能になりますが、払戻手数料として直近二年分の税引き前利息分を返還しなければなりません。10年物も通常、発行一年後から換金できるようになりますが、1年分の税引き前利息分が手数料として生じます。
それまでに受け取った利息は税引き後の金額なので、換金可能になってからすぐに売ると税金分の元本割れになってしまうということです。

毎月分配型投信を購入するぐらいなら、奇数回債と偶数回債を両方買ったほうが得策でしょう。利払いは年2回ですが、両者を組み合わせれば信託報酬などのコストがゼロで、3ヶ月ごとに金利変動を細かく捉えながら利息収入が得られるからです。

最後に冒頭申し上げたとおり、現在の余裕資金を5年あるいは10年も国債で運用した後で不動産投資を始めるレベルなのかどうかということでしょう。仮説として、個人向け国債は、不動産購入後に得られる家賃収入が一定程度まとまったら、購入すべき運用商品なのかもしれません。

 - 国内債券への投資術 ,