国内債券への投資術、第二位はMMF・MRF
2011/04/09
MMF(マネー・マネジメント・ファンド)は追加型公社債投資信託の一種で、毎日決算を行ない運用収益を全額分配するという金融商品です。
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)は、証券会社で証券総合口座を開く際に申し込むと、預かり資金が自動的に運用されるという投信になります。
両者とも組み入れ資産は短期国債や高格付け社債、コマーシャルペーパー(CP)や譲渡性預金(CD)などで、いずれも元本割れの可能性がきわめて低い金融商品に限っているのが特徴です。
MMFもMRFも預金より金利変動への反応が速く、金利上昇時に恩恵を受けやすいもので、利回りは運用実績により日々変動します。1日の平均実績から2割の源泉分離課税を差し引いた課税後の年利は、各社とも0.3〜0.4%台と、定期預金と比べて利率がよいものです。
証券口座開設時に発行されるカードを使えば、提携先の銀行や郵便局、コンビニエンスストアなど、証券会社のATM以外でもおカネを引き出せます。(なお、MMFを1ヶ月以内に換金する場合には、信託財産留保額が発生します。)
ただ見落としてはいけないのが、信託報酬が必要なこと。
各社のMMFやMRFの信託報酬は、現在おおむね0.1〜0.2%台と投信と比べて格安ですが、この信託報酬は金利と同時に日々変動しています。
大和証券、日興コーディアル証券、りそな銀行などの商品は、上限報酬率が1%以上に設定されているため、いざというときには実質リターンが大きく 目減りする可能性もあります。特に販売窓口や運用会社では、日々のコスト変動を詳しく説明していない場合が多いので、頭の片隅に入れておく必要があるで しょう。
MMFやMRFは、基本的に元本割れすることはなく、預金よりも高い金利が得られる便利な商品です。手数料ゼロの個人向け国債と比べればある程度のコストはかかりますが、投信よりも使い勝手はよいと思います。
換金性を重視しながら、ある程度の利回りを確保したい場合にはピッタリなものです。