国内株式への投資術、第四位アクティブ投信

   

 アクティブ投信はTOPIXなど株価指数を運用目標に設定し、それを上回ろうとするオードソックスな投信が多いようですが、その中で目立つのは「配当」を運用コンセプトに掲げた投信です。

 純資産残高の大きい投信のタイプを見てみると、配当利回りの高い株を組み入れたタイプや将来の配当の成長に着目して投資するタイプ、その他には企業の利益や財務基盤と比べて割安の銘柄に投資するバリュー投資型、小型株に投資するタイプなど、魅力的に見える商品が多々あります。

 ただし、気になるのは保有期間中のコストとなる信託報酬率の水準です。アクティブ投信の純資産残高上位20本の平均値は1.46%、インデックス投信20本の平均は0.56%、ETFの平均は0.24%ですから、アクティブ投信の信託報酬率はかなり高いものになります。(いずれも2007年8月のデータですが、そうそう報酬率が変わるものではないでしょう。)

 ちなみに、200万円の資産を運用した場合の信託報酬を計算してみると、インデックス投信は毎年1万1200円、ETFは4800円となりますが、アクティブ投信は2万9200円もかかってしまいます。

 もちろん、日経平均株価やTOPIXよりコンスタントに基準価格が上がるなら問題ありません。1~2%の信託報酬の負担は完全にペイできるからです。

 そもそも市場平均より高い運用成績を目指して、我々とは異なるプロのファンドマネージャーが運用するというのがアクティブ投信の売りなのですが、実際の成績は満足できるものではない、という理解が正解のようです。

 私が調べた限りでは、アクティブ投信の半数以上がTOPIXを上回ったのは、過去10年間で4回程度でした。

 650本以上ある日本株アクティブ投信の中から優れた投信(運用益が良い)を選び出すことは、我々初心者には完全に無理な話であり、過去の実績も必ずしも将来の運用成績を保障してくれるものではないことを考えると投資術として選択すべき積極的理由はありません。

 結局、日本の国内株で資産運用をする場合、アクティブ投信よりも圧倒的にコストが安く、運用にも市場平均並の成長という安心感、安定感を考慮するとTOPIX連動などのETFを使った投資術が一番無難で、優れていると思います。

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