失敗談:買い付け時は全て金額で決着することが肝要です。
2013/03/20
こんにちは。
気がつけば、すっかり夏本番ですね。
私事ですが、本業の方で5年ぶりに異動となりまして、バタバタとしておりました。
狼さんは夏休みに突入してしまったようですが、お休み前に買い付け関連記事、【買い付け。。。】と【「逃げの買い付け」と「攻めの買い付け」】がアップされておりました。
いいですね〜、こんな素晴らしい記事を初めての買付前に読める方々は。。。
(そもそもコレって、狼さん独断セミナー@東京の内容じゃないですか?!)
この2つの記事を読み込んだ上で実践に活かせれば、誰もが初めての買付なんて思わないでしょう。
本当に羨ましい限りです。
◆ネットで見つけた物件です
狼さんのこんなアドバイスを知る前のワタクシ、もう全く普通の買い付けを致しました。
はい、ネットに出回っている物件を素直に買い付けです。
(ちゃんと街の不動産屋さんに挨拶まわりをした上で、ご挨拶させて頂いた不動産屋さんからダイレクトに入ってきたような物件じゃありません。)
今回購入した一棟モノの木造アパート「マカロニほうれん荘」は、昨年夏に不動産ジャパンに出没し、すぐに問い合わせた物件です。
販売資料を送ってもらって、現地を単独確認した後に電話で仲介さんとお話しました。
「通ってしまったら儲けもの!」みたいな金額を口したところ、「そりゃぁ、ちょっと無理ですね〜。まだ、物件出したばかりですし。」と言われてしまったものです。
現地を見てそれなりに気に入った物件ですから、結構、しっかりと買い付けを入れたいと思っていましたが、仲介さんのあっさりとした却下の言葉に「じゃ、いいか。別に物件は次から次へと出てくるさ。」な〜んて偉そうに考えてました。
それから、いろいろとネットを探しますが、当然、良いものなんて見つかりません。
そうこうしているうちに、問い合わせをした「マカロニほうれん荘」も不動産ジャパンから消え去ります。
「あ〜、誰かが買ったんだな〜」って思ってました。
しかし、ネットでの物件探しに迷走すること約8ヶ月、またもや不動産ジャパンに「マカロニほうれん荘」が登場してきたのです。
はい、最初のネット掲載から半年以上経過しての再登場です。
これなら、多少の指値は受け付けてくれるでしょう。
今度は電話だけでの問い合わせだけではなくて、直接、不動産屋さんに出向きました。
◆不動産屋さんと買付け価格相談
物件の外観は確認していますし、現状、満室の物件でしたから内部は見れません。
基本、和室の造りですが、1部屋はCF化しているというのが物件の仕様でした
それでもバストイレ別の徒歩15分圏内物件です。
引き直し家賃ベースでこのぐらいだったらいいだろうという価格イメージは持っていきました。このくらいの価格で買付け可能なら購入したいと。。。
出向いた不動産屋さんでは、自分の属性をさらけ出す資料(源泉徴収票の写しや保険証ですね)を披露しつつ、指値可能な価格の探りをいれると、不動産屋さんはさすがですね、半年前に私が電話して問い合わせした内容を憶えてました。
「さすがに今でもあの時の価格では先方と交渉はできないですけど、 このくらいならイケルと思います。」と口から出た価格は、すでに私がイメージしていた「まあこのくらいまでなら」と許容していた価格と同等です。
(こりゃ、いいや)と思いながらも、「そうですか、、、もう少し引いた価格でなら買付書を書きますが、ダメですかね。」と約10数%程度の価格低減を提示しました。
「う~ん、まあちょっと聞いてみましょう。」とのことで、買付書を書く約束をして帰宅しました。
(ハンコも持ってませんでしたし、もう一度、自宅で冷静にシミュレートしようと思いまして。)
◆あれっ、満室だったはずが。。。
自宅に戻って、もう一度、ゆっくりと検討してみましたが、ワタクシ的には十分な価格です。
さらに1棟8部屋なので、既存の所有区分3つと合わせて事業規模になる、ということも大きかったです。
翌日、買付書を書いて、あとはファイル化して不動産屋に送るだけ、という段階になったところで不動産屋さんから連絡が入りました。
「横ちゃんさん、すいません。先方に値ごろ感含めてあたったところ、2部屋が来月一杯で退去するらしいんですよ。で、価格的には、ちょっと首を縦に振ってくれるかわからない買付価格だ、っていう感触みたいです。」とのこと。
こちらとしては、まあ価格的にはOKだったので、気になるのは退去後の原状回復とクリーニングです。
ですので、こんなお願いをしてみました。
「満室ということで考えた買付価格です。やはり、買付価格をもう少し下げたいですし、リフォームもしっかりとお願いしたいです。相談させて頂いた価格から更に50万円引いた価格にさせて頂き、条件として退去予定の2部屋は引渡し後であっても売主の責任で洋間化リフォームを実施する、と記載させてください。その内容でそもそも買付交渉自体がダメなら諦めます。」
不動産屋さん、やや間がありましたが、ご了解頂きました。
条件欄に洋間化リフォーム&クリーニングを売主責任で実施する旨を書いた買付書を提出して結果を待ちます。
もうこの時点で、2部屋全てを和室から洋間へリフォームするのは先方もウンと言わないだろうな~とは思ってました。
「更なる50万円値引き」と「洋間化リフォーム」はダメ、と言われることまでは想定してました。
◆想定内の範囲で決着
買付書を提出して数日後、不動産屋さんから結果連絡がありました。
「最終提示価格はOK、退去後の現状回復&クリーニングはするが洋間へのリフォームはお断り。」とのことです。
はい、全然想定内ですからオッケーです。
当初予定価格よりも50万円の物件価格低減、退去後の原状回復&クリーニングの実施、を確約して頂いて、交渉成立です。
価格はもちろんですが、退去後の原状回復&クリーニングの実施を契約書の特記にキチンと記載して頂きました。
◆認識の齟齬
契約も終了し、いろいろと時間がかかった融資も何とか終了して、決済日も決定。
決済日までに原状回復とクリーニングを終わらせて欲しいと思いましたが、こちらの融資付けに時間がかかったこともあり、融資決定から決済までの日にちに余裕がないため、引渡し後の現状回復&クリーニングとなりました。
ここまでは何のギクシャク感もなかったのですが、引渡し後に実施された原状回復&クリーニング内容がお粗末なものでした。
畳と壁紙の張り替えはされていましたが、建具に張ってあるステッカーはそのままだし、台所やお風呂の金属部分が磨かれた様子はありません。まあ、明らかに目立つとこだけはやったけど、それ以外は適当にやってます、って感じです。
こちらの不動産屋さんもさすがにこれはひどい、ということで、再度、クリーニング等を実施してもらうことにしました。
そして2回目の物件確認。
全くダメです、適当加減はそのままです。何と指摘した建具のステッカーなんかもそのままだったりしますし、ユニットバス内も掃除した形跡がありません。
さすがに笑顔でいることができなくなりました。
またもう一度、となってしまっては、時間ばかりが経過してしまい、引渡し後であるにも関わらずお客さんの案内すらできないような状況です。
「ちょっと、勘弁して下さい。こちらで業者さん手配しますから、もうお金で清算することで相談させてもらいます。」と売主側仲介さんには告げ、先方も「まあ相談はしてみます。」とまでは言ってもらいました。
ステッカーが張ってあった建具をチェックしてみたら穴が開いてましたし、シャワーホースは老朽化して割れが発生、などなど不具合はいろいろありまして、原状回復とクリーニングで概ね18万円の実施内容となりました。
当然ながら、見積もり段階から先方に通知し、全額と言わず半額だけでもと思いましたが、「こちらも現状回復とクリーニングを実施しなかった訳じゃない。それにこんなにいろいろと直さなくても入居者は募集してきた。」との主張です。
この売主さん、このエリアでは複数の物件を持っている大家さんなんですが、部屋を綺麗にしないかわりに安い家賃で客付けするタイプで通ってました。
(なので、私がお願いした管理会社は、そもそもこの大家さんの物件の客付け積極的じゃなかったそうです。)
そうです、売主さんとワタクシの間には相当な認識齟齬があったのかもしれません。
もしかしましたら、売主さんからすればワタクシの請求内容は「過大なボッタクリ請求」と映っていたのかもしれません。
こちらも納得はできませんでしたが、原状回復とクリーニングの費用負担が解決するまで、入居者付けができないのは困ります。あと、こんなことも想定して、固定資産税の清算はまだしていなかったこともありました。
「じゃあ、分かりました。もうお互い何も言わないようにしましょう。」ということで決了させました。
◆やっぱりお金で換算しないとダメですね
今回の失敗は、「現状回復とクリーニングの内容」は、人それぞれで考えている内容が異なるということを甘く見ていたということです。
認識に齟齬がありそうな内容のものを条件として付加することはダメでした。
物件を購入する際は、あらゆる想定事項を金額換算し、想定事項を受け入れられる金額にして買付けすることが必須であることを学びました。(何事も最初が肝心かと。。。)
あたり前と言えばあたり前かもしれませんが、ワタクシはこういう失敗をしてしまいました。
他の方は是非ともワタクシのような失敗を避けて頂ければと思います。
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