先輩大家さんに学ぶ
1.成功されている先輩大家さん達の物件選定基準
(1)サラリーマン大家のパイオニア、山田里志さんの場合
- 「高利回り、高稼働、高担保評価」
⇒利回り18%以上、稼働率80%以上、木造は築10年以内、重量鉄骨・RCは築15年以内 - 融資期間を最大20年までとし、金利動向変化や長期借入リスクを回避
- 購入する物件は小規模から中規模物件とし、物件エリアを複数とすることで自然災害、人的災害(事件・事故等)、周辺環境激変災害(企業・大学等の 閉鎖・移転等)からリスクヘッジ
(2)恵比寿のIさん、石原博光さんの場合
- 高利回りは必須であるものの、都会視点での人気物件の常識的な基準(駅近、都心など)だけで判断しない。
- 大学付近など誰が見ても需要があるとことは供給も過剰になり価格競争に陥り気味のため、陸の孤島で一人勝ちを狙う。
- 任意売却物件には手を出さない。(手を出す場合は、購入後のコストを十分に検討する。)
⇒持ち主が破綻した物件は修繕がなされておらず購入後の手間とコストが膨大となる。 - 見ず知らずの土地に物件を買うのはリスクだが、自分の住居から遠い物件を持つのはリスクと考えない。
⇒良い管理会社を見つければ地方物件を恐れる根拠は無い。(住居に近い物件でも自主管理でなければ、基本的に現地対応は管理会社が実施する。)
2.物件購入までの具体的進め方
元祖サラリーマン大家といわれる山田里志さんの物件購入までの段取りが基本となるでしょう。
(1)数字による一次選考
以下の数字を目安にして、クリアしない物件は検討対象としない。
- 表面利回り18%以上で出来るだけ高利回り
- 稼働率80%以上(見込みを含む)
- 築年数は木造築10年前後、重量鉄骨・RC築15年以内
(2)業者からの情報収集
数字をクリアした物件は、すぐに業者へ連絡して資料や物件の写真など他の情報の送付を依頼する。
その際、必ず行うヒアリング項目は、
- この物件の所有者は何故売却するのか?
- 過去と現在の入居状況と今後の入居(需要)見込みは?
- 家賃設定の妥当性は?
などであり、可能な限り多くの情報を引き出す。
特に売主側の事情が、「相続」「資金繰り」などの場合は売り急いでおり、優良物件となる可能性が高い。
(3)業者情報の裏づけ、さらなる情報収集
- 賃貸サイトなどで賃料設定の妥当性を判断する。
- 地域の産業や人口動向、職場状況、交通網等を地図で確認しながら、情報どおりの賃貸需要とかけ離れていないかを判断する。
(4)物件の担保評価を行う
業者情報や他の収集情報から「イケる」と判断した物件の担保評価を算出する。
- 建物の評価
再建築価格(木造15万円)×建物床面積×法定耐用年数残存期間÷法定耐用年数 - 土地の評価
土地の路線価×土地面積 - 掛け目を入れて全体評価額を算出
(建物評価額+土地評価額)×0.7
これにより「担保評価額<物件価格」となる物件の場合、ザックリと「年間総家賃(見込み含む)×0.7」が、「年間支払いローン額」(残存法定耐用年数プラスαと金利(概ね3%)により算出)よりも多くなるかどうかを確認する。
(5)現地確認を行う
ここまでは机上の計算と収集した情報での物件評価。机上の計算と収集情報の結果からそれなりに思い描かれた物件の姿と実物の姿(周辺環境含む)がマッチングするかどうかを現地確認により実施する。
現地確認にあたっては、建物を評価できる人(先輩大家さん、有料の不動産鑑定士など)を同行するのがベスト。
最低限、仲介業者さんには同行してもらい物件を見てもらう。(仲介業者さんには、この物件で終わらず今後も物件を購入する意志を伝えておく。⇒次のある客だと認識させた上で物件を見てもらう。)
3.物件の管理会社を選定する
地方の物件場合、円滑なアパートマンション経営が出来るかどうかは、管理会社の選定次第。
物件の管理会社は、「地元で一番信頼されている管理会社」に任せられれば最高だが、そう簡単に「一番信頼されている管理会社」を見つけられるかが問題。
具体的には以下の選定基準を用いて、「おかしな業者」に任せないようにする。
- インターネットで募集を行っている業者
- 具体的物件購入までに関わった方(仲介業者さん、売主さん)などから推薦のある業者
- 地元の他の大家さんから信頼のある業者
- 地元で長く管理業を営み、管理実績のある業者
- 管理業を専門に扱っている業者(フロントに若い女性スタッフが居ればベスト)
- 店構えが明るく、綺麗、おしゃれな業者
- 接客態度が良い社員、良い雰囲気のある業者
- 管理委託料が5%以内の業者
管理委託後は次のような点のチェックを行い、おかしな点があれば他の管理会社に変えてしまう。
- 空室後に集客力(客付け)がある業者かどうか
- 修繕等の対応や手配がすぐにできる業者かどうか
- 修繕の見積もりや修繕後の報告をきちんと行う業者がどうか
- 修繕金額が妥当な業者かどうか
- 毎月の家賃月例報告と入金がきちんとできている業者かどうか
- 大家から利益を取るような営業を行わない業者かどうか
いずれにしても、基本は集客力があり、物件の清掃・チェック等の管理をしっかり行い、適切な価格と内容でリフォームができ、入居者からのクレーム等に素早く適切に対応するといった管理会社としてのルーティン業務をきっちり行う管理会社を見つけ、その会社と良好なコミュニケーションを構築することです。
公開日:
最終更新日:2011/09/10