そろそろ逆ざや?サブリース(家賃保証)と実際の家賃
2010/10/30
私が所有している物件は管理会社と家賃保証契約を締結しています。
好んで家賃保証を契約したのではなく、家賃保証契約が締結されていた物件を購入したというものです。
家賃保証契約には大家にとって良い面と悪い面があると思っていますが、管理会社がビジネスとして成り立つからこそやるものであるわけですから、間違いなく経済合理性にかなう(利益が取れる)仕組みであるのでしょう。
それはつまり、大家である我々にとっては利益を逸失する仕組みであることになると思いますが、必ずしも大家が損をするという訳ではなさそうです。
家賃保障契約の場合、大家に支払われる毎月の家賃は、入居者の方が払う家賃から一定のマージン(概ね10~15%らしい)を引かれた額になり、敷金や礼金の他、契約更新時の更新料も我々には入ってこないのが基本です。
一般的な管理委託料が、家賃の5%ということを考えると、そこから5~10%分の上乗せマージン分と入居時の礼金や更新料等が家賃保証会社の収入源になります。
実際の家賃が8万円だった場合、通常の管理委託料換算分が4千円、家賃保障分としてさらに4千円~8千円が彼らの取り分です。
我々はそれらマージンが差し引かれた6万8千円~7万2千円が、毎月必ず、例え空き室があったとしても入ってくる家賃収入となります。
家賃保障1年間で、通常の管理料5%とは別に、家賃保障会社の取り分は4万8千円~9万6千円、一般的な契約期間の2年で考えると9万6千円~19万2千円になります。さらに更新料が家賃1ヶ月分とすると8万円が上乗せされます。
リスクは空き室になった際に大家に支払う家賃保障分の料金ですが、一度入居すると入居者は最低1回以上は契約を更新、つまり3年以上住むのが一般的データのようなので、空き室期間が2ヶ月程度までなら新入居者から入る礼金等を考えると十分旨味があるのでしょう。
しかし、実際の家賃と家賃保障の差額が小さくなってくると話は別で、今度は我々大家側が有利になってくるのではないかと思える事態になります。
仮に8万円の家賃想定でオーナーとは10%引きの7万2千円で家賃保障契約をしていた場合に、当初は8万円で入居があったものが、時間の経過や家賃相場の下落などから7万5千円でやっと入居して貰えたとなるとどうでしょう。
通常の管理契約であれば家賃7万5千円の5%分、3,750円が管理会社に入ってきますが、大家に家賃保障した7万2千円を考慮すると3,000円しか入ってきません。すでに750円の逆ざやが毎月発生することになり、さらに空き室期間の家賃保障分もあります。
一般的な管理料である家賃5%分の金額と空き室があっても家賃保障額が毎月入ってくる安心感、東京ルールと言われる敷金全額返還の流れを考えると大家として少なくとも損をしている状態にはなっていないともいえるのではないでしょうか。
私の家賃保証契約は、新築時に前オーナーが締結したものをそのまま引き継ぐ形になっていて、保証家賃額は周辺の家賃相場と遜色ない額になっています。
そして、先般、家賃保証会社と入居者の契約書の写しを頂いたところ、保証人連絡先等は隠されてコピーされていましたが、更新時の賃料等が写ったものが送られてきました。
そこに記載されていた家賃とその家賃から管理手数料5%分の価格を考えると私が家賃保証分として余分に支払っている額は2千円に満たないものとなっています。
預かり敷金が現在の家賃の1.5倍で記載されていましたので、新築当時、あるいは現在の入居者の方が最初に入った時の家賃は、預かり敷金の額だったのでしょう。
前オーナーの方は随分と損をしてしまったのかもしれませんが、築10年経過した私の代では今の家賃保証レベルは決して大家が損をするものと決めるけることはできないのではないかと思います。
家賃保証をしている管理会社によっては、そろそろ逆ざや減少が発生しているのかもしれないですね。
それにしても新築で購入した前オーナー、何でこんな契約していたのが不思議です。。。