海外株式への投資術、第一位はやっぱりETF

      2010/05/15

海外の株式市場に投資する方法は、現物株や投資信託など複数存在します。ただし、海外の現地事情がわからない日本の個人投資家、特に投資初心者にとって、海外個別株の選別はハードルが高いといわざるを得ません。

そうなるとETF、インデックス投信、アクティブ投信の三種類の中から有利な商品は何か?という選択になります。そして、購入前から有利か不利かが分かる物差しとして、やはりコストが最も重要になってきます。

将来の株価の変動は誰にも分かりません。ただ、概ね国家レベルでは景気が上向きそうか下向きそうかといった想定は我々初心者でもできるでしょう。
例えば、何かと話題の中国は今後も経済成長が見込める国であることは誰にも異論がないと思います。そこで、中国株への投資を想定し、ETF(トラッカーオブホンコン)、インデックス投信(チャイナ・フロンティアオープン)、アクティブ投信(チャイナ騰飛)のコストを考えてみます。

購入時については、ETFのトラッカーオブホンコンは基本的に株式市場に上場していますので売買手数料が必要になります。インデックス投信、アクティブ投信については、ノーロードのゼロ円から3.15%程度まで販売する金融機関の扱いにより幅があります。

保有期間中にかかる信託報酬料については、トラッカーオブホンコンで0.05%、インデックス投信のチャイナ・フロンティアオープンで1.36%、アクティブ投信のチャイナ騰飛で1.6%です。

購入時の手数料を見ると、最も安いのは当然ながら、アクティブ投信やインデックス投信をノーロードで購入した場合のゼロ円です。ETFであるトラッカーオブホンコンは前述したとおり、売買手数料がかかります。
ただし、信託報酬料を考えた時、トラッカーオブホンコンの0.05%に比べ、アクティブ投信のチャイナ騰飛は32倍、インデックス投信のチャイナ・フロンティアは27倍という水準です。

これは運用する期間が長ければ長いほどもの凄い差が出てくるものです。

不動産投資に向けた資金作りのための運用といっても、やはり数年の運用期間があることを考えると、この高い信託報酬料を負担することは明らかなマイナスとなるのは明確です。

海外株式は日本株などと比べて手数料がかなり割高のため、短期売買はお勧めできません。概ね5年以上の長期投資を資産運用の基本とするなら、ETFが圧倒的に有利なのです。
日本で買える海外のETFの種類は、ここ数年で急増しています。楽天証券がネット証券として、初めて海外ETFの取り扱いを開始したのは2006年10月でした。SBI証券の参入は2007年の6月です。それ以降、特に楽天証券、SBI証券の2つは、海外ETFの品揃えに積極的で数多くの多彩なETFが購入可能となっています。

スパイダートラストシリーズ1のようにS&P500といった米国の代表的な株価指数に連動するタイプはもちろん、小型株や中型株全体に連動するスモールキャップ600やミッドキャップ400といった、企業規模に目をつけたタイプも存在します。

その他には債券指数に連動するものや、インド、ブラジル、南アフリカといった新興国市場の株価指数に連動するものもあり、日本で購入できるETFのバリエーションは本当に豊富になってきています。

海外ETFの最大の特徴は、信託報酬料が安いことです。ほとんどのETFが信託報酬率0.5%以下なので、アクティブ投信やインデックス投信との差は歴然としています。ただし、eMAXISシリーズのようにノーロードかつ信託報酬料が0.63%といった素晴らしい投資信託も先日発売されています。

人口が減少するばかりで政治もフラフラ、大きな経済成長が見込めないと思われる日本株式に投資をするよりも、海外株式への投資を選択する方も多いでしょう。現時点の余裕資金を海外株式で運用したい方は、購入手数料等が安い楽天証券かSBI証券にて海外ETFを購入する術がよいでしょう。

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