常識ですよね・・前面道路が私道の場合の注意点

      2012/03/12

確定申告の季節です。

多くの大家さんは電子申告の受付開始となる早々に申告をすまされる方ばかりのようですが、わたくし、やっと昨夜に申告の送信を済ませました。

毎年のことなのですが、今年も現在取組んでいる木造中古アパートを取得できましたら、減価償却費など、物件取得年特有の数字精査などがあるので、今度こそ物件引渡し後すぐに青色申告ソフトに投入できる状態にしたいと思っています。

確定申告作業をしていくなかでちょっと古いノートが出てきました。
とある不動産会社さんの無料セミナーを受けた際のメモ書きです。

この業者さん、区分は勿論ですが、「土地をしっかりと見極めることができる会社です!」と自負されているとおり、一棟モノの取り扱いは自信があるようでした。
木造の一棟アパートに取組んでいるわたくしも、今、このメモを読み返すと「うんうん、そうだよな~」と納得するものです。

このまま内容を埋没させてしまうのはモッタイナイと思いますので、自らの備忘録含めて、個別ページに記載いたしますが、この「一棟アパート・マンション購入の10ヶ条」のなかで「前面道路が私道で、その私道に持分がない場合は買ってはダメ!」というのがありました。

これ、今取組んでいる物件のひとつ前、それこそ一度買い付けを入れていた物件がすっかりとあてはまってました。
買い付けを入れる前に各種書類を確認した際には、当然なら「通行や上下水道管・ガス管等の工事の承諾書」が付いていました。
記載内容としては、私道を通行したり上下水道管やガス管、その他必要な工事がある場合に掘削等を承諾する、また同私道を譲渡等する場合はこの承諾条項を引き継がせる 、といったものでした。

仲介業者さんは、「こういった土地はいくらでもあるし、地主さんからキチンと承諾書も頂いてますから全く問題ないですよ。まあ、前に契約されて融資がつかず流れてしまった人も気にしていましたが、やっぱり皆さん、気になるんですかね~」とのこと。

その時は「まあ、そんなもんなのかなぁ~」と思いつつも頭の隅に何かひっかかるものがありました。

 

う~ん・・・
どうも気になります。

もう、あれこれ思い悩んでもしょうがないので、調査員になることにしました。
はい、xさんというアパート購入希望者に頼まれて、周辺調査をしている調査員というフレコミです。

日曜日の朝9時ぐらいに現地に行き、まずは物件の写真を、となりの地主さんの家から見えるような位置から撮りまくりました。物件資料を広げながら、「う~ん、そうか。ここがこうなって、この道路が・・」とブツブツ言いながら、周囲を歩き回り、もう地主さんから見たら、いつ「何されてるんですか?」と声をかけてもおかしくない頃あいを見計らって、ピンポ~ンといたしました。

「はい、何でしょう?」

「すいません、お隣のアパートを購入されたい方に頼まれて、色々と調査をしているんですが、地主の●●さんのお話を伺いたいと思いまして・・・すいません、少しお時間頂けませんか?」

ガラガラガラ、と引き戸の玄関が開いた瞬間、大きなおじきとにっこり笑顔で「お休みの朝からすいません。お話、伺わせて頂いてよろしいでしょうか?」とご挨拶させていただくと、地主のおばあちゃん、「まあ中に入りなさいよ。」とお招きいただき、いろいろとお話を伺いました。

相手は昔からお住まいの地主さん。

元々は一体の土地全てを保有されていた方ですから、周辺一帯のご近所の方々にも一言二言ありそうです。
そのあたりをつついてみると、出てくる出てくる、誰それさんは良い人だけど、あそこの角の人はダメだとか。。。

今まで誰かに話をしたかったんでしょう、近所の良い点、悪い点が泉のごとく出てきます。
すっかりと近所の方のお話を伺って、それこそお茶菓子でも出てくるんじゃないかといった雰囲気になったあと、おもむろに隣のアパートの大家さんと入居者さんのご感想などを聞いてみました。

×▲◇×△◆!
×△◆っ!!
×△×◆▲◇!!!!

ヤバイです。
文句以外の何も出てきません・・・

しかも、掘削等承諾書の存在や必要な工事はどうしてもあるでしょう、というお話をしても、「絶対に何もさせない!この紙を持ってきた不動産屋も何もしないですから大丈夫です、と言ったから息子と一緒にサインしたのよ!!」と敵対感情丸だしです。

もうアパートの存在そのものがお気に召さない状態なので、こりゃ厳しいと思わざるを得ませんでした。
会話をしているなかで「あなたみたいな人が新しい大家さんになって、アパートの人たちにもキチンと言い聞かせてくれればいいんだけどね。」との言葉を引き出せていたので、わたくし自身は嫌われることはなさそうでしたが、アパートの住人に対しての感情は厳しいです。

こりゃ手間と時間が掛かり過ぎます。
そもそも、仲介さんは「全然問題ありませんよ!」と言っていましたが、全然、問題ありです!!

私道の一部だけでも持分があれば、その他大部分を保有する地主さんとも基本的には対等な関係ではあると思いますが、持分がないようではどうにもなりません。さらにはおばあちゃんが亡くなってしまったあと、複数の方が共同名義で相続されてしまったような事態になれば、ますます混迷は深まります。

わたくし、この「私道持分無し」でこの物件を諦めましたが、今考えてみれば、きっと常識なんですよね、前面道路が私道の場合には持分に注意しなければならないということは・・・

土地付き一棟モノアパートを購入する前には、調査員を装った周辺調査の必要性を強く感じた出来事でした。
見ず知らずのお家のドアをたたいて聞き込みすることは勇気が必要ですが、そもそも融資を使った大きな買い物ですし、どんな話が出てくるかわかりませんので、リスクヘッジのひとつとして必須事項だと思います。

ちなみに、地主さんからは「人糞事件」のお話も出てきました・・・・
それはまた別の機会に・・・
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さらにこんなトコまで手を出してしまいました。

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