プロパンガス会社との折衝&契約について

      2016/03/03

こんにちは。

今年の夏は、ゲリラ雨とかゲリラ的豪雨と言われる凄い天候に見舞われる日が多くなりました。温暖化と合わせて、今後、日本の気候も亜熱帯に近くなってしまうのでしょうか。

暖かいのは嫌いじゃないので歓迎なんですが、大雨洪水警報なんかが発せられると心配になってしまう大家さんも多いのではないでしょうか。不動産は動かせないもの、この基本をしっかりと心に留めて、今後も物件の選定をする際には、雨の流れや溜まり具合なんていうのも確認する必要がありそうですね。

一棟モノで必須となるガス会社との折衝&契約

さて、今回のテーマは、プロパンガス会社との折衝&契約について、です。

プロパンガス業界について最初から詳しい大家さんなんていうのは、ほとんどいないと思いますが、多くの大家さんブログを拝見していると、みなさん、いろいろとプロパンガス会社さんと折衝されているようです。
給湯器の無償貸与はもちろんのこと、各種ガス器具や追い炊き機能等の無償提供など、なかにはガス会社さんからのキックバックなんてお話も出てきます。

ガス会社さんがどれほど儲かるものなのかは良く解りませんが、お金の出処は入居者さんになるはずです。
我々、大家さんにとって最高のガス会社さんは、入居者さんにとって最悪のガス会社である可能性もあります。

ワタクシが目指すガス会社さんとの契約内容

プロパンガスに関連することを色々と検索した際に、かなりの意見があったのが入居者さん側の苦言で、次から次へと料金が上がってしまった!とか、ガスがあまりに高いので他のゼロゼロ物件へ引越しした!とかでした。

ワタクシ、管理会社さんや賃貸仲介会社さんに営業してやっとこさ入居してもらった(ここ昨今の賃貸事情では重要ではないかと。。)入居者さんにはモテたいです。
一方で、ガス会社さんからもいろいろな無償提供を頂いて、アパートの運営コストを引き下げたいです。

入居者さんから不満が出てこないようにしつつ、ガス会社さんともうまく渡り合っていきたいと思っているワタクシ、今回も融資の時と同じように物件の所在エリアを管轄する多くのガス会社さんと折衝させて頂きました。
結果として、入居者さんへのガス提供料金の低廉化と ワタクシ的には満足できる各種の無償提供を受けることができましたので、どのような手順を踏んでいったかを記述させて頂きます。

ではさっそく、具体的にいきましょう!

物件所在エリアを営業エリアとするガス会社の調査と連絡

まず、自分の物件にガスを提供してくれる会社がどこなのか?これを調べる必要があります。ネットで物件の所在地(区市町レベル)とプロパンガスの単語を組み合わせて検索してもいいですが、一番確実かつ勢力図が見えてくるのが現場調査、いわゆる「現調」ってヤツです。

やることは非常に簡単で、デジカメ片手に自分の物件の周囲にあるアパートやマンションに設置してあるガスボンベを撮りまくります。どこのガスボンベにもガス会社の名前と連絡先が記載されていますので、連絡先は一発で解ります。また、どのガス会社のボンベが一番多く見受けられるのかが解りますので、周辺の勢力図みたいなものも解ってきます。

ネットの検索と現調を組み合わせてもいいですね。

どちらにしても、まずは電話にて問い合わせをするだけなので、融資の時と同様、数多くの候補会社をピックアップできるようにしておくといいと思います。

電話連絡にて提供条件の確認とプラスアルファの引き出し

さあ、連絡すべきガス会社をピックアップしたら、早速、電話連絡攻撃を開始します。

確認すべき内容は、所有物件へのガス提供の可否(まあ、ダメってことないと思いますが。)、ガスの提供料金(月額の基本料金と立方メートルあたりの料金)、契約した際の無償提供してくれるモノ、あとはガス会社の変更にあたって旧ガス会社との交渉は任せられるかどうかと切り替えにお金がかからないことの確認ですね。

あとは、現在のガス会社(売主さんが契約していたガス会社)の提供条件をお話しつつ、これよりも良い条件を出すことが可能かどうかという聞き方もあるかと思います。
現在のガス会社さんが一番優良である可能性もありますので、あたりまえですが、現在の条件との比較は忘れてはいけません。

あとは最後に必ず一言、ガス会社さんに確認した方が良いと思うのが、「プラスアルファの有無」の確認です。ガス会社さんもこちらから引き出そうとしなければ、とおりいっぺんのことしか言ってくれません。

ですので、最後に「貴社と契約した際に大家として何か特典のような、プラスアルファのようなものはありますか?」と必ず聞きます。

「あっ、そういう内容は実際にお会いしてご説明の際に。」という会社
「そうですね、通常、大家さんとはガスレンジを格安でご提供します。」という会社
「ご契約のあかつきには、契約御礼として一定額の商品券などがあります。」という会社
「う~ん、うちは特にそういうのないですね~」という会社

などなどいろいろありますが、一番、最後まで折衝のテーブルにのってくるのは、一番最初の「そういう内容は実際にお会いしてご説明の際に。。。」という会社でした。

そもそも誰が電話で問い合わせてきているのか解らないはずですから、電話じゃ詳しく言えないというのも、至極、真っ当といえば真っ当ですよね。

ちなみに、私が連絡した会社は全て給湯器は無償貸与&無償修理でした。

契約書の雛形を収集して、納得できる契約書を作成しましょう。

電話にてこれらの内容を確認した後、その会社の契約書雛形を送ってもらいます。
もちろん、プラスアルファがある際には、その内容も記載して貰うようにします。
契約書の雛形に盛り込むことが困難であれば、具体的にどのような形で明文化するのかを教えて貰います。(大体、特約事項として整理する場合が多いみたいです。)

こうして各社の契約書を貰って見比べてみると本当に面白いですよ、色んな契約書があって。(この契約書のX条とY条が矛盾してるじゃん、とかもあります。)

いくつかの会社の契約書を見ると、これならいいか、と思う契約書があるので、それを自分の契約書の雛形のベースとして採用します。

さらに、他社の契約書で良さそうと思った項目があれば、ベースとした契約書雛形に追記していって、複数会社の契約書を合成したオリジナル雛形を作成していきます。
(ここでは「条文に矛盾が発生していないかどうか」や「用語の統一」などに留意しましょう!)

次は、出してきた条件そのものが気に入ったプロパン会社の提案内容を、上記で作成した雛形に落とし込んでいきます。

さらに、自分で盛り込みたい項目、私の場合は、提供料金の明確化と提供料金の変更には非サービス提供者(我々ですな)への連絡および承諾が必要という条文、無償提供される設備の所有権の明確化や契約違反をした場合(双方が)、非違反者へ無償で設備の所有権が移る等、を追記しました。

ちなみに、ガスの提供料金の額は、一番安く提示してきた会社の金額を明記しておきます。

作成した自分の契約書雛形の内容をガス会社へ照会

こうして作成した自分なりの契約書雛形を電話連絡したガス会社へ送付して、契約書の内容および契約書の作りそのものを承諾してくれるかどうかを確認して、前向きに検討してくれる会社さんと直接お会いする旨のご連絡をします。

こういうふうに契約書を作りこんで逆提案してくる大家さんはあまりいないようなので、先方はかなりビックリすること間違いなしです。

でも、その分、どの会社も真剣に受け止めてくれたように感じました。
まあ、契約するつもりがなければ、大家さんが自分で作りこんできた契約書でどうか!?なんて逆提案してくるわけないですからね。

また、記載していたガスの提供料金も具体性があって良かったようです。

ここから先はガス会社さんが競争してくれるので楽です。

ここまでやると各ガス会社さんは、社内でかなりつっこんだ検討をしてくれるようです。こちらが送付した契約書雛形を前提にお会いしてくれる会社とはすべてお会いするようにしましょう。必ず、先方から新しい提案条件が出てきます。

「提供料金をこの金額と同額にするのはいいですが、契約書原本に記載しないで別紙扱いでするようにしませんか?」

「無償貸与設備は、給湯器の他に入居者さんへの2口ガスレンジを考えています。ただし、この設備の詳細は別紙にすることで社内の稟議を通しやすくしたいのですがどうですか?」

「契約の際の特典ですが、具体的にお望みのモノはありますか?」

などなど。。。

いずれにしても否定的な提案はあんまり出てきませんでしたので、各社の希望(別紙扱いを希望されるところは別紙扱いとするなど。)は基本的にこちらも了承する旨と契約した際の具体的な特典の話などを更に各社に連絡します。

あとは各ガス会社さんが競争を始めてくれますので、次々と変化する特典内容や提供料金の低廉化の内容を各社に連絡するだけです。

ワタクシの場合、全く同じ条件を出してくれる2社が残りましたので、最後はガス会社さんの企業としての体力、ぶっちゃけ会社の規模が大きい方と契約することにしました。規模が大きい会社さんの方が、営業エリアも広かったという点も個人的には魅力に感じました。

次の物件も同じガス会社さんと契約できれば楽ですし、ガス会社さんも2棟目、3棟目と契約してくれる大家となら、更に提供料金を下げてくれるかもしれないじゃないですか。

で、結局、どのくらいの効果があったか。

こうしてワタクシが最終的に契約させて頂いたガス会社さんは、現状から基本料金で200円のダウン、立方メートルあたりの金額は50円のダウンとなりました。

そして、無償で提供して頂いたものは、1.契約期間(10年)中の給湯器と故障修理、2.全空き部屋(3部屋)の新品2口ガスコンロ提供、3.1階の空き部屋(2部屋)への新品エアコンの設置、となりました。

料金の低廉化はもちろんですが、設備面でのエアコンの設置は本当にありがたかったです。2階の部屋のエアコンは数年前に入れ替えたものでしたが、1階の2部屋はともに、もういつ壊れてもおかしくないようなボロボロのエアコンでしたから。。。

ちなみに新品エアコンの話は、「何か希望がありますか?」という会社さんに、「これから入居者、つまりガスを使ってくれる方を募集するんですが、エアコンがオンボロの部屋が2部屋ほどあるので何とかなると、正直、ありがたいですが。。。」とお伝えした結果の回答でした。

まとめ

以上、ワタクシなりのノウハウをまとめるとこんな感じになりますね。

1.数多くのプロパンガス会社を調べて、各社の提供条件をヒアリング。

2.話を聞くプロパンガス会社の契約書雛形をすべて頂く。

3.気に入った雛形を見つける。あるいは、複数の契約書を合成して自分で新規契約書雛形を作る。(ワタクシの場合はこれです。)

4.上記で作成した雛形に、提供条件が一番気に入った会社の内容を落とし込む。

5.自分で盛り込みたい項目を条文化して、追記する。

6.プロパンガス会社さんに作成した契約書ベースでこちらから逆提案。(この逆提案、お話しているプロパンガス会社さん、すべてにするところが肝です。)

7.プロパンガス会社さんから多少の修正が入ったり、無償提供内容条件の追加などが入ったりしますので、それを見比べて取捨選択。

8.修正された点や追加された追加条件などの内容を確認して、納得できれば、そちらと円満に契約締結!

こんな感じでしょうか。

 

多分、通常のガス会社との契約で異なると思われる点は、概ね次の3点です。

1.ガスの提供料金を明記し、変更する場合はこちらのOKが出ないと変更できない(変更のたびに覚書締結)

2.給湯機器等にかかる費用は凍結など例外以外の事態は全てガス会社負担であることを明確化

3.甲乙どちらからも条項違反をした場合は解約請求が可能、かつその際の設備の所有権の所在を明確化

 

どんなものか見てみたい方はコメント欄にてその旨お伝え下さい。
個別に送付させて頂きます。
(と、昔、書きましたが、ここのところ変な流用の仕方をしている人が存在するのが判明しましたので、ワタクシとお知り合いでない方への配布は止めることにしました。有償でも欲しいという方は個別に「postmasterあっとまーくooya.okiraku7.com」までご連絡頂けるようお願いします。2015.12.05)
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